赤ちゃんに会いたくて

結婚するまで

私は二人姉妹の長女です。妹は20歳で結婚し、26歳で4児の母となりました。1歳下の妹とは友達のように仲良し。妹が出産するたびはりきってサポートし、間近で子育てを体験するうち、気持ちはもう叔母ではなく母でした。

いつか私も本当に母になるんだと、何の疑いも持っていませんでした。

28歳になった私は看護師として忙しく働いていました。2歳年下の彼(現在の夫)とは結婚を考えていましたが、仕事の楽しさや友人との自由な時間は捨てがたく、延ばし延ばしに・・。

結婚は決まっていたから、子供は望めばすぐ、と思っていたのです。妹は4人とも普通分娩で、しかも下の2人は双子。

いつも安産でしたから。看護師のくせに、私もそうだろうと呑気に考えていたのです。

お互いの両親から催促され、入籍したのが29歳の時です。仕事と新婚旅行でお休みをいただく都合から挙式は半年後の予定でした。

単純なもので、籍を入れて同居したら、やはり子供のことを考え始めました。交際期間が長かったので、いつできてもいいね、挙式が決まっているからそのあとかななんて話し合っていました。

どうしてできないの

挙式前から基礎体温をつけていました。新婚旅行から帰ってからは、今月だろうかと待ちわびる日々。

仕事中は走らないように、大好きなお酒も我慢、冷やさないようあたたかい飲み物をボトルに入れて持ち歩きました。

こんな小さな努力を人知れずしていた頃はとても幸せで、まだ赤ちゃんのいないおなかをこっそり撫でていました。

1年が過ぎても妊娠はしませんでした。私は30歳になっていました。

夫の実家があるところは田舎で、お邪魔するたび、近所の方から悪意のない、残酷な言葉を浴びせられました。

仲が良すぎてできないんじゃないの。早く孫を見せて親孝行してあげなさい。自分たちの楽しいことばかり考えていたらだめよ。

病院に行ってみたい。夫に恐る恐る切り出しました。うん、俺も検査するよ。

何のためらいもなく夫は返事をしてくれました。検査の結果、私は子宮内膜が薄いということがわかりました。

内膜は卵子が着床するベッドです。ふかふかの厚いベッドでないと、卵は落ち着いて寝てくれません。さしずめ私のはペラペラの寝心地が悪い布団ということでしょうか。

夫のほうは精子の量がやや少なく、奇形も少しいるものの妊娠に影響を与えるほどではありませんでした。

主治医の先生が顕微鏡をのぞきながら夫に、自分のことだからご主人も見てみるといいよ、と声をかけました。

さすがに複雑な顔をしていましたが、なかなかできない経験だから良かったと笑っていてホッとしたのを覚えています。

子宮内膜を厚くするため、内服を開始することになり、これで妊娠できるだろうとこのときはまだ深刻に考えてはいませんでした。

治療しているのに

さらに2年がたち、そのころには排卵誘発剤の注射を併用していました。

今回はいい卵子が2つ育ってるよ、今日か明日排卵だね、なんて声をかけられると、今度こそと期待し、また裏切られるを繰り返していました。

基礎体温によるタイミング法、治療を追加してのタイミング法で3年が経過し、だいぶ前からステップアップの打診を受けていました。

人工授精までなら・・。何の根拠もなくそう思っていたので、夫も異存はなく人工授精を開始しました。

妹の子供たちは成長し、どんどんかわいくなっていました。女の子4人に囲まれた妹夫婦は幸せそうで、このころの私はうらやましいをとうに越して、嫉妬していました。

人口授精をしてもいっこうに妊娠せず、まもなく33歳になろうとしていました。

注射は痛い。いろいろ言われるのも私だけ。夫と話しても泣いてばかり。

さらなるステップアップの話が出たとき、夫から治療を中断しようと言われました。

そんなことをしたら時間が無くなると、受け入れられるものではありませんでしたが、そんなに疲れていたらできるものもできないと説得されしぶしぶ了承しました。

治療をやめてから

このまま子供ができなかったらという不安はありましたが、治療から解放されたことはとても嬉しかったです。

旅行に行ったりリラックスして過ごし、そんな時は2人でもいいのかなぁなんて思ったこともありました。

それでも2人で並んで歩いていて間に子供がいたら・・と考えることは何度もありました。

ほっとしたような、不安なような表現しがたい日々を過ごしていたある日、妊娠していることに気づきました。

卵子の年齢

女性にとって卵子は自分の年齢と同じです。いつもフレッシュな精子を持つことができる男性は決定的に違い、女性は時間が限られています。

だからこそ、男性にはそのことをわかってほしいです。子供が欲しい女性の方は、ぜひパートナーに協力してもらってください。

周りの目も、治療のも女性のほうがつらいことが多いのですから。そして、子供が欲しいと思ったら若くてもぜひ、パートナーと一緒に検査を受けてほしいと思います。

<PR>

メニュー